使用者定義の判定基準
さて、既に見てきたように、労働基準法の使用者の定義である「事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為する者」という文言がありました。この事業主のために行為する者、というのはどういうことか、その判定の基準について詳しく見ていきたいと思います。労働者に関する事項というのは、人事や給与、厚生、労務管理などにあたる労働条件の決定、あるいは指揮監督を行うということがそれに該当します。加えて、事業主のために、というのには、必ずしも事業主の利益となる行為だけがその対象となるわけではなく、権限濫用であったり、自己の利益を向上させるための行為であったとしても、これに該当するという判断がされています。つまり、労働者でありながら、使用者でもある、と言うことは十分に考えられるということです。簡単に説明するなら以下の通り。会社役員の行為は、使用者の行為である。監督者や上級管理職の行為は原則的に使用者として判定される。係長や主任など、下級管理職の行為の場合には、上位の使用者による指示を受けた場合か、あるいは黙示の承認によってなされた場合には使用者のための行為として認定される。ということになります。
