使用者、事業主、事業者の対象の違いとは
さて、ここまで使用者の定義や、事業主の定義、事業者の定義などについて詳しく見てきました。なぜこのような定義について確認したのかというと、労働法の中でも、使用者を対象とするもの、事業主を対象とするもの、事業者を対象とするものと、それぞれ様々であるがためです。まず、既に紹介した労働基準法や、最低賃金について規定した最低賃金法、労働組合法については、その対象は使用者です。つまり、状況に応じて相対的に対象が設定されるということになります。一方で、男女雇用機会均等法や、育児介護休業法についての対象については事業主を対象としています。これはつまり、企業全体がより広域に努力することによって、これらの労働法によって保護される労働者の権利についての維持向上に努めなければならないということになります。そして、労働安全衛生法においては事業者が対象となります。事業者というのは、法人企業ならその法人が、個人企業であれば事業主個人が指されることになりますが、これらは使用者と異なって、事業経営の主体そのものを義務の対象として認定しているものとなります。安全衛生上の責任であるための配慮といえそうです。
